胃・十二指腸潰瘍
『血を吐いた、黒い便、息切れ、動悸、痛みがひどくなった』 →急いで受診を
胃十二指腸潰瘍の一般的な症状は、上腹部痛や胃もたれ、食欲低下などですが、『血を吐いた、黒い便、息切れ、動悸、痛みがひどくなった』 などがある場合には、緊急性がかなり高いのでできるだけ早くの受診してください。(救急外来への受診もご検討下さい)
潰瘍には良性の潰瘍と悪性の潰瘍(がん)がある
潰瘍には良性の潰瘍と悪性(がんなど腫瘍による)潰瘍があります。
注意すべきことは、悪性の潰瘍でも処方された薬で症状が改善することがあるので、症状が改善したとしても内視鏡検査を受ける事をお勧めしています。
内視鏡検査(胃カメラ)で確認できます
潰瘍が有るか無いかは内視鏡検査(胃カメラ)をすれば確認できます。内視鏡検査では、緊急度の高い出血リスクの所見がないか、潰瘍の程度が評価できます。
また病理組織検査(病気の一部を採取して顕微鏡検査に提出して)を行って、がんの可能性を排除しています。
当院の内視鏡検査はWEB予約、鎮静剤使用、女性医師の検査日、土曜・日曜の検査日など『内視鏡検査をもっと身近なものに』を掲げて様々な取り組みをしております。
初めての内視鏡検査で心配な方もお気軽にご相談ください
胃十二指腸潰瘍の原因にはピロリ菌と解熱剤鎮痛剤や抗血栓薬が多い
胃十二指腸潰瘍の原因で多いのは、①ピロリ菌と②解熱鎮痛剤や抗血栓薬です。ピロリ菌は胃に生息する細菌で、ピロリ菌検査が陽性であれば除菌治療が推奨されています。
抗血栓薬は重篤な疾患の予防のために服用しているので)、自己判断で中止せずに受診するのをお勧めします。
他にも特殊な原因は考えられます。
胃十二指腸潰瘍は飲み薬で治せることが多い
胃十二指腸潰瘍があっても酸分泌抑制薬の内服で治せることが多いです。
通常1か月半から2か月程の服薬治療で治癒を確認できます。
投薬でも改善しない場合は、腫瘍による潰瘍や特殊な原因による潰瘍を念頭に診療をしています。
治ったかどうかも確認した方が安心です
治療が始まって症状が改善したとしても、1‐2か月後に再度の内視鏡検査をすることをお勧めしています。
理由としては2つあります。
一つ目は、繰り返しになりますが、がんなどの腫瘍による悪性の潰瘍があるので、通常の治療期間の内服治療後に治癒を確認(必要に応じて再度の組織検査)することで、がんの可能性をかぎりなく排除できます。
二つ目は、通常の治療期間を過ぎても治癒していない場合には、特殊な原因がないか追加の検査が必要になりますし、投薬中止できるかの判定ができます。
治癒する前に投薬を中止して潰瘍の穿孔(あなが開いてしまう事)や出血が起きてしまう可能性もあるので。