高血圧
高血圧は動脈硬化性三大疾病
保険のCMなどでも耳にする三大疾病(がん・心筋梗塞・脳卒中)のうち、心筋梗塞や脳卒中は高血圧、糖尿病、コレステロール異常などの生活習慣病が引き起こす動脈硬化性疾患です。
心筋梗塞や脳卒中は発症すると重篤な経過をたどったり、その後の生活の質が著しく低下してしまう方がいらっしゃいます。
しかも予兆がなく発症することもあるため、生活習慣病は無症状のうちからいかに対策するかが大切です。
自宅で血圧測定と記録の習慣を
高血圧を指摘された方にまず始めて頂きたいことはご自宅で血圧測定し記録する習慣をつけることです。
糖尿病や高コレステロール血症との検査とは異なり、病院にいかずとも測定でき、採血の痛みもありません。
ある程度の期間測定をして普段の血圧がいくつなのかを把握することから始めましょう。
数か月に一度の血液検査より、毎日評価できる血圧データは生活習慣を整えるのに積極的に利用したいです。
自宅血圧測定のポイント
- 血圧計は家電量販店などで購入できます
- 一般的には上腕で測定する血圧計を用いることが推奨されています
- 血圧測定は朝2回(起床後1時間以内、薬を飲む前に)、晩2回(まずは、就寝前に)測定して、記録します
- 血圧手帳や最近ではアプリをご利用する方もいます
生活習慣を整えて、目指せマイナス10mmHg!お薬不要に♪
高血圧も生活習慣の見直しで改善することができます。
個人差はありますが10mmHg前後の血圧低下が可能と言われていますので、取り組んでいたいただくことで降圧剤が減量できたり、追加の降圧剤が不要になったり、並存疾患の状況まで改善したりと、服薬中で血圧が安定している方にも取り組んでもらうことをお勧めしています。
降圧剤開始を先送りしないで(目標やプランを共有しましょう)
降圧剤にも数種類があり、既往症や診察所見や既往症などをもとに薬剤選択をしています。
目標を達成するために数種類の降圧剤が必要な方もいます。
降圧剤を開始する際には、おおむねの見通し(予想される降圧効果や追加処方の必要性など)をお伝えしています。
具体的には1-2か月程度で降圧効果や副作用などを確認して、患者さんごとの事情も踏まえて最適な方針の修正を一緒に検討できればと思います。
よくある質問
血圧は前から高いけど、何も症状ないですし。。。
お知り合いの方が心血管系の合併症を起こしてしまったのを契機に受診される方もいらっしゃいます。
高血圧の合併症は予兆もなく突然発症することもあり、身近なものとして感じられないのが怖いことでもあります。
また、年に1-2回の健診の血液検査とは異なり、血圧は気軽に測れるし高かったり低かったりの変動もあるので、血液検査の結果と異なり「異常値です!」のようなインパクトが少ないのも事実です。
逆に毎日測れる気軽さをうまく使って、上手にコントロールしたいものです。
血圧はいつ測ればよいの?
血圧測定は朝2回(起床後1時間以内、薬を飲む前に)、晩2回(まずは、就寝前に)測定して記録します。
晩の血圧測定は慣れてきたら、入浴前など条件をある程度そろえられるとより良いでしょう。
結構ばらつくのですが??
そのまま測定値と2回測定した平均を記載するようにしましょう。
思い当たることがあればメモしておくと振り返りができるかと思います。
血圧はさまざまな要因で変動するものなので、1日の中でこういうタイミングは高いんだとか、こういう事があったときは高いんだ、などを把握すると血圧の変動に慌てなくなります。
血圧測る時に締め付けで腕が痛いです
血圧が高い方はその血圧を測定するのに必要な圧力が高くなるので、測定時の締め付けによる痛みが出やすいです。
日々その圧力と同程度の圧力がご自身の血管にかかっていると考えると、高血圧を放置しておくのは将来的に良くなさそうなのが体感できると思います。
薬は一生やめられない??
生活習慣の修正で降圧が得られれば、薬の減量や中止はできるかもしれません。
減量や中止してその後も落ち着いている方もいますが、まもなくして血圧が上がってきて方もいます。
そもそも高血圧治療の目的が心血管合併症を防ぐことでした。心血管合併症が起きた場合には、その薬を服用する必要があります。
薬を飲みたくないから高血圧の治療を先送りして、結果として合併症のせいで薬の量が増えてしまった。。。
それも避けたい事だと思います。