その胸焼け胃酸逆流ではない?
お伝えしたいこと
- 胃酸を抑える薬剤を服用しても改善しない患者さんもいらっしゃいます
- 治療抵抗性の逆流性食道炎としての処方を検討します
- 頑固な胸焼け方の場合、そもそも胃酸逆流の関与が少ない可能性を考えます
- 内視鏡検査で診断できる疾患もあるのでご相談ください
胃酸を抑える薬剤を服用しても改善しない
胃酸を抑える薬剤の服用により、薬剤によりますが1週間程度で胃内pH(酸性度)は中性側へ改善することが知られています。しばらく服薬しても症状の改善が乏しい方も少なからずいらっしゃいます。治療抵抗性の逆流性食道炎としての処方内容や服薬方法を検討します。選択肢はいくつかあるので、患者さん毎に合う薬剤を探していく事になります。
その胸焼け胃酸逆流ではない?
また、内視鏡検査で診断できる好酸球性食道炎や食道カンジダなどの疾患の可能性を再考します。胃酸以外の液体逆流や機能性胸焼けや過敏性食道などを考慮した処方を検討することになります。
内視鏡検査で診断できる疾患
好酸球性食道炎はアレルギー体質の方に多く、食道に好酸球(白血球の1種)が集まってくるために起こる病気です。この病気にも制酸剤は有効ですが、免疫を調節する薬が必要になる方もいます。
食道カンジダ症は我々の体に常在する真菌(カンジダ)が増殖してしまった状態です。症状が強ければ抗真菌薬の投与を要します。
機能性胸焼けや過敏性食道について
これらの病気は胃酸逆流の関与が少ないと言われております。治療法の選択肢はさまざまありますが、どの薬があっているかどうかはケースバイケースで合う薬剤を何度かにわたって探していく事もあります。残念ながら様々な方法をトライしても改善の得られない方がいるのも現状です。
どんな時に悪くなるか、どんな時によくなるかなど、会話の中に処方のヒントが隠れているかもしれないので、何か気になることがあれば、気兼ねなくご相談ください。